中古住宅を購入したら外壁塗装は必要? 購入後に必要な工事を判断するポイント

中古住宅を購入すると、キッチンやお風呂、壁紙など、手を入れたいところがいくつも出てきます。外壁にもひび割れや汚れがあると、「入居前に塗装したほうがいいのかな」と迷いますよね。
中古住宅の外壁リフォームは、傷みが外壁の表面にとどまっていれば、必要な補修と塗装で対応できる場合があります。
外壁材や下地まで傷みが及んでいれば、張り替えなどを検討します。雨漏りがあれば、原因に応じた修理を先に行います。
この記事では、築年数や修繕履歴、現在の劣化状態をもとに、外壁に必要な工事と、ほかのリフォームとの優先順位を判断するポイントをご紹介します。
中古住宅を購入したら、すぐに外壁塗装が必要?
中古住宅を購入したからといって、すぐに外壁塗装が必要になるわけではありません。
最近塗装されていて、外壁や目地に大きな傷みがなければ、すぐに塗り替えず、予算や入居予定に合わせて工事の時期を決められる場合があります。
外観がきれいでも、目地が傷んでいることはあります。
塗装が必要かどうかは見た目だけで決めず、過去に行われた工事と現在の状態を調べて判断しましょう。
過去の塗装や修繕について、どの資料を調べればいい?
過去の工事内容は、契約書、見積もり、保証書、工事写真から調べられます。
契約書や保証書などの資料が一つも手元にないと、「長い間、手入れされていないのでは」と心配になるかもしれません。
けれども、資料が残っていないからといって、外壁の手入れがされていなかったとは限りません。
全面塗装が必要かどうかは、現在の外壁の傷みを調べてから判断しましょう。
まずは、売主や仲介会社に修繕履歴が残っていないか尋ねてみましょう。
資料が見つかったら、次の項目を調べておきます。専門業者が現在の外壁の状態と照らし合わせ、必要な工事を判断する手掛かりになります。
- 外壁をいつ、どの範囲まで塗装し、どの塗料を使ったか
- ひび割れやコーキングをどのように補修したか
- 屋根の塗装や葺き替えなどを行っているか
- 雨漏りがあったか、その原因と修理内容は何か
「リフォーム済み」でも、外壁や屋根の工事が含まれているとは限らない
「リフォーム済み」と紹介されていた中古物件でも、施工範囲が内装や設備の交換に限られていることがあります。
外壁や屋根も施工されているか、資料で工事の範囲まで確かめてください。
資料だけで判断できないときは、現地調査を活用する
購入時に受け取った建物診断や建物状況調査の報告書も、外壁工事を相談する際の資料になります。
外壁や屋根の調査結果が含まれていなかったり、調査から時間が経っていたりすると、現在の状態を調べるために追加の調査が必要になることがあります。
修繕履歴が分からない住宅も、専門業者の現地調査で外壁や目地の傷みを調べてもらえます。
過去の工事内容を推測するのではなく、今の状態に合う工事の提案を受けましょう。
外壁のどこを点検しておけばいい?
業者に相談する前に、ご自身で地上から安全に点検できる範囲で、次のような症状がないかを確かめておきましょう。
- ひび割れ(クラック)がある
- 塗膜が浮いたり、剥がれたりしている
- 触ると手に白い粉が付く(チョーキング)
- コケ、藻、カビが付着している
- 外壁材に反り、欠け、崩れがある
- 目地や窓周りのコーキングに亀裂や隙間がある
道路側だけでなく、庭側や日陰になる面も点検してください。
気になる場所は、建物のどの面かが分かる写真と、傷みをアップで写した写真を撮っておくと、相談時に場所と症状を伝えられます。
くれぐれもお伝えしたいのは、ご自身で行うのは、安全に点検・撮影できる範囲までにしてください。
高い場所や屋根の点検、傷みの程度や必要な工事の判断は、専門業者に任せましょう。
外壁は塗装で直せる?カバー工法・張り替えとの違い

外壁塗装は、表面を塗料で覆い、雨や紫外線から保護する工事です。外壁材や下地の傷みまで塗るだけで直せるわけではありません。
現地調査の結果をもとに、補修と塗装で対応できるのか、材料の交換も必要なのかを判断します。
ひび割れや剥がれは、補修と塗装で対応できる?
ひび割れや剥がれに必要な工事は、雨水が入っているか、傷みがどこまで及んでいるかによって変わります。
下地の補修で対応できる状態なら、必要な補修を行ったうえで塗装を検討できます。
ひび割れは、上から塗るだけでは再びひびが入ることがあるため、原因や深さに応じた補修が必要です。
業者には、補修する箇所と方法を説明してもらいましょう。
外壁材に反りや崩れが生じてしまうと、補修と塗装だけでは対応できないこともあります。
傷みの範囲や程度によって、傷んだ外壁材の一部を交換するか、外壁全体を改修するかを検討します。
雨漏りは、原因を調べてから修理する
雨漏りがある住宅では、塗装の前に雨水の浸入口を調べ、原因に応じた修理を行います。
室内に雨染みが出ている場所と浸入口が一致するとは限らず、屋根、外壁、サッシ周辺、ベランダの防水部分なども調査対象になります。
業者には、雨漏りが起きた日、風雨の強さ、濡れた場所を伝えてください。原因を調べる手掛かりになります。
必要な修理が分かったら、外壁塗装も同時に行うかを相談しましょう。
カバー工法と張り替えは何が違う?
カバー工法は、今ある外壁の上に新しい外壁材を施工する方法です。
下地の状態に加え、新しい材料によって増える重量などから、施工できるかを判断します。
雨漏りや内部の腐食は、新しい材料で覆うだけでは解決できない場合は、張り替えを行います。
張り替えは、今ある外壁材を撤去し、新しい材料に交換する方法です。
撤去後に下地を調べ、必要な補修を行えます。
費用には、新しい材料の施工だけでなく、既存の外壁材の撤去や処分も含まれます。
工法を選ぶときは、塗装を含め、それぞれがご自宅に適している理由と費用を説明してもらいましょう。
屋根も塗装すればよいとは限らない
屋根も、材質や傷み方によって必要な工事が変わります。外壁と同時に塗装することを前提にせず、補修や葺き替えが必要かどうかも説明を受けてください。
外壁の現地調査を依頼する際に、屋根の点検が含まれるか、どの方法で調べるかを尋ねておきましょう。
屋根の工事内容が分かれば、外壁とまとめて施工するかも検討できます。
内装・水回り・外壁のリフォームは、どの順序で進める?

必要な外壁・屋根の工事が分かったら、内装や水回りで直したい箇所も含めて、どの工事から、いつ行うかを決めましょう。
入居までに済ませる必要があるか、入居後に行ってもよいかを業者に相談し、 予算と工事にかかる日数をもとに計画を立てます。
どのリフォームから進めればいい?
入居後の生活に支障がある設備の修理や、建物の傷みに関わる修繕を優先しましょう。例えば、お風呂の修繕は入居までに済ませます。
工事の順序は、仕上げた箇所をやり直さずに済むように決めます。
雨漏りの修理は、内装を仕上げる前に済ませます。
窓の位置や大きさを変える工事も、外壁塗装より先に進めましょう。
塗装後に窓を変更すると、その周辺を再び補修することになるため、外壁工事を依頼する業者にも計画段階で伝えてください。
必要な修理・修繕の費用を先に確保する
希望する工事と全体の予算を業者に伝え、必要な修理・修繕の費用を先に確保します。
壁紙の色を変えるなど、好みに合わせるための工事は、残りの予算で今回どこまで行うかを決めましょう。
外壁工事は入居前に済ませる?入居後でもよい?

外壁工事の時期は、まず傷みの程度から判断します。
専門業者の調査で早急な修繕が必要な傷みがなければ、設備や内装の工事を先に済ませ、入居後に費用を準備してから外壁塗装を行う方法もあります。
予算と日程に余裕があり、入居前に外壁工事を終えられれば、暮らしが始まってから洗濯物を干す場所や窓を開ける時間を工事に合わせて調整せずに済みます。希望する入居日を業者に伝え、雨で作業が延期される可能性も含めて、工事を終えられるか相談しましょう。
塗装を見送った後も、傷みの変化に気を配る
入居後まで塗装を見送るなら、次の点検時期も決めておきます。
調査後にひび割れや剥がれを新たに見つけたり、以前からある傷みが広がっていることに気づいたりしたら、早いうちに業者に相談してください。
「次回の点検のときで見てもらえばいいか」と放置すると、家本体の痛みがひどくなることがあります。室内に雨染みが出たときも、早めに業者へ連絡しましょう。
足場が必要な工事は、まとめて行うか検討する
外壁工事で足場を組む予定があれば、屋根や雨どいにも必要な修繕がないか調べてもらいましょう。
同じ足場を使えれば、工事のたびに足場を組むよりも足場代を抑えられます。
個別に施工する見積もりと、まとめて施工する見積もりを出してもらい、費用を比べてください。
足場を共用できるからといって、まだ工事が必要ない箇所まで前倒しする必要はありません。
それぞれの傷みと工事の必要性を説明してもらい、まとめて行う範囲を決めましょう。
長く住む予定なら、将来の点検・修繕費用にも備える

長く住む予定があるという理由だけで、今すぐ外壁塗装をする必要はありません。
購入後のリフォームでは、今回必要な工事を選び、見送る箇所についても今後の手入れの予定を立てておきましょう。
外壁、屋根、設備のうち、今回は工事をしない箇所については、次に点検する時期や、修理・交換が必要になりそうな時期を業者に尋ねてください。
将来どのような工事が必要になりそうかが分かれば、修繕に向けて準備する費用の目安も相談できます。
今回のリフォームに使う予算と、今後の修繕に備えるお金を分け、長く暮らすための資金計画を立てていきましょう。
外壁工事を依頼する前に、施工範囲・見積もり・保証を確かめる

どの工事を行うかが決まったら、提案された施工内容と費用を見積書で確かめましょう。
塗装だけの見積もりと、補修を含む見積もりでは工事の範囲が異なるため、総額の安さだけで選ばないようにしてください。
塗料を選ぶ前に、補修と施工範囲を決める
塗料を選ぶ前に、外壁材の種類や傷みの程度を業者に調べてもらい、必要な補修と塗装の範囲を提案してもらいましょう。
ひび割れや目地の傷みについては、どこを、どのような方法で補修するのかも聞いてください。
工事を急ぐよう勧められたら、傷んだ箇所の写真と調査結果を示してもらい、なぜ早急な対応が必要なのか説明を求めましょう。
傷みの程度や必要な工事は専門業者に判断してもらい、その説明をもとに、どの工事を依頼するかはご自身で決めます。
分からない点は質問し、工事の必要性と内容、費用に納得してから依頼しましょう。
見積書のどの項目を比べればいい?
見積書では、必要な補修が含まれているかに加え、施工内容と数量、足場などの費用を比べます。
主に次の項目を押さえておきましょう。
- ひび割れ補修やコーキング工事の範囲
- 洗浄、下地処理、塗装の施工内容と数量
- 足場、養生、廃材処分などの費用
- 屋根や付帯部分の工事が含まれているか
- 追加工事が必要になった際の相談方法
費用は外壁の面積や足場の条件でも変わるため、ご自宅を調査した見積もりで判断してください。詳しいチェック方法は、関連記事
「外壁塗装の見積もりで損しないチェックポイント」でご紹介しています。
保証は期間だけでなく、対象と条件も読む
外壁塗装の保証期間は、施工後に対象となる不具合が起きたとき、保証を受けられる期間です。何年間の保証なのか、いつから期間が始まるのかを保証書などで確かめましょう。
ただし、保証期間内であっても、すべての不具合が対象になるとは限りません。どのような不具合に、どの条件で対応してもらえるのかも読んでおいてください。
口頭で聞いた説明と書面の内容に違いがあれば、契約前に業者へ尋ね、保証の範囲を把握してから依頼しましょう。
中古住宅の外壁リフォームは、建物の状態に合う工事と時期を選ぼう

中古住宅を購入したからといって、すぐに外壁を塗装する必要はありません。
築年数や修繕履歴を手掛かりに、現在の傷みに合う工事を選びましょう。
外壁の傷みの範囲や程度によって、補修と塗装で対応できることもあれば、カバー工法や張り替えが必要になることもあります。
雨漏りがあるなら、まず原因に応じた修理を進めます。
リフォーム計画では、「今回行う工事」だけでなく、「今回は見送れる工事と、次に点検する時期」まで決めておくと、予算を配分できます。
内装や水回りも含め、先に直すべき箇所と、入居後でも対応できる箇所を業者に説明してもらいましょう。
すべてを一度に新しくしようとせず、必要な修繕から進めることが、これからの暮らしを支えます。工事の理由や費用に納得したうえで、ご自宅に合うリフォームを選んでください。
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