
遮熱塗料と断熱塗料はどっちがいい?違いと失敗しない選び方

ここ数年、夏の暑さが以前とは違うと感じる方が増えています。
実際に気象庁は、2025年夏の日本の平均気温が、1898年の統計開始以降で最も高かったと公表しています。
尼崎のように住宅や道路が多い地域では、強い日差しを受けた屋根や外壁が熱を持ちやすく、2階の暑さや夜まで残るこもった熱が気になるご家庭も少なくありません。
「冷房を入れてもなかなか涼しくならない」
「夕方になっても2階がむっとする」
と感じるなら、屋根や外壁が受けている熱の影響も考えられます。
塗り替えの際に塗料の性能を気にされる方が増えています
私たちのところでも、よくお聞きするのが「遮熱塗料と断熱塗料はどう違うのですか」というご質問です。
どちらも「暑さを防いでくれそう」というイメージがありますが、実は仕組みが全く違います。
この違いを正しく理解しておかないと、せっかく費用をかけて塗り替えても、期待していたほどの変化を感じられないかもしれません。
単に塗料の名前で決めるのではなく、お住まいの状態に合わせて選べるよう、それぞれの特徴を整理してお伝えします。
遮熱塗料と断熱塗料の違いとは?仕組みをわかりやすく解説

まずは、それぞれの塗料がどうやって暑さを防ごうとしているのか、その仕組みを見ていきましょう。
遮熱塗料とは?屋根の温度上昇を抑える仕組み
正式には「高日射反射率塗料」と呼ばれ、主な役割は、太陽光をはね返すことです。
太陽の光には「近赤外線」という熱を発生させる成分が含まれています。
遮熱塗料はこの光を高いレベルで反射することで、屋根自体の温度が上がるのを防ぎます。
専門的には「高日射反射率塗料」と呼ばれており、夏場の厳しい日差しから家を守るための工夫が詰まった塗料です。
断熱塗料とは?熱の伝わりを抑える仕組みと特徴
断熱塗料は、熱が伝わるスピードを遅くすることに重きを置いています。
ただ、日本塗料工業会の資料では、断熱機能や放射機能を持つ塗料も、屋根用の「遮熱塗料」の登録対象に含まれています。
ここで注意したいのは、太陽が照りつける環境下では、熱をはね返す「反射機能」が最も大きな力を発揮する点です。
先ほどの日本塗料工業会の案内でも、太陽光下では、塗膜による断熱機能や放射機能の効果は小さく、日射反射機能が中心になると説明されています。
遮熱塗料と断熱塗料の決定的な違い
一言でまとめると、以下のようになります。
- 遮熱塗料は「日射を反射して熱の流入を抑える」
- 断熱塗料は「熱を伝えにくくする」
ただし、塗料だけで建物全体の断熱性能を語るのは無理があります。
本来、住宅の断熱性能は、窓のサッシや壁の中に入っている断熱材など、建物全体の構造で判断するものだからです。
遮熱塗料がおすすめなケース、効果を実感しやすい住宅とは

遮熱塗料は、特に以下のような環境でメリットを感じやすくなります。
金属製の屋根(折板屋根など)
熱を吸収しやすい素材の場合、反射の効果が顕著に現れます。
2階が異常に暑い
屋根の表面温度が下がることで、天井裏への熱の伝わりを和らげます。
吹き抜けがあるお家
屋根からの熱がダイレクトに室内に伝わりやすいため、入り口で熱を遮るのが有効です。
明るい色の屋根にできる場合
遮熱塗料は色によって反射率が変わるため、薄い色を選ぶとより高い効果が期待できます。
断熱塗料を選ぶ前に確認すべきポイント、本当に必要か判断する方法

「遮熱塗料を塗れば家が快適になる」という説明を聞いたことがあるかもしれません。
ただ、家の快適さは塗料だけで決まるものではないため、先に建物の状態を確認しておくことをお勧めします。
- 壁や天井に十分な断熱材が入っているか―入っていない場合、そちらの対策が先決です
- 天井断熱か屋根断熱か―どこに断熱層があるかで対策が変わります
- 窓から冷気や熱気が入り込んでいないか
お部屋の居心地は、塗料だけでなく、壁・屋根・窓といった建物全体のバランスで決まります。
遮熱塗料と断熱塗料はどっちを選ぶべき?目的別の選び方
判断に迷ったときは、何を一番解決したいかを軸に考えてみてください。
夏の暑さ対策を優先する場合
まずは遮熱塗料を検討されるのがよいかと思います。
各メーカーから厳しい基準をクリアした製品が出ており、性能の比較がしやすくなっています。
色選びの際は、明るい色の方が反射率は高くなる傾向があります。
外観のデザインとバランスを取りながら、業者さんと相談して判断しましょう。
冬の寒さも含めて住環境を整えたい場合
塗料だけに頼るのではなく、屋根裏の断熱材の追加や、窓の改修(二重窓・樹脂サッシへの変更)など、建物全体の性能の底上げを検討されることをおすすめします。
遮熱塗料と断熱塗料のよくある質問(Q&A)
Q.遮熱塗料と断熱塗料は同じですか?
A.別物です。
太陽光を反射して温度を上げないのが「遮熱」、熱の移動を遮るのが「断熱」です。
Q.外壁にも使えますか?
A.国土交通省の高日射反射率塗料(遮熱塗料)の基準は、建物の屋上・屋根などで使うものを対象にしていて、外壁用は使用対象外となっています。
屋根に比べると、外壁は一日を通して同じように強い日差しを受け続ける面ではないため、遮熱塗料を使っても、屋根に施工した場合ほど暑さのやわらぎを実感しにくいことがあります。
そのため、屋根用の性能表示と同じ感覚で外壁を比べるのは避けたほうがよいと考えます。
Q.濃い色でも遮熱効果はありますか?
遮熱塗料には色の濃さ(明度)によって性能基準が設けられています。
A.同じ黒色でも、普通の塗料よりは熱を吸収しにくい工夫がされていますが、やはり白やグレーなどの明るい色に比べると反射率は低くなります。
夏の暑さ対策は遮熱塗料の正しい理解が重要


遮熱塗料は、太陽の熱を効率よくはね返し、屋根の温度上昇を抑えるための心強い味方です。
一方、断熱塗料は熱の伝わり方に着目したものですが、お家全体の断熱性能とは分けて考える必要があります。
夏の寝苦しさや2階の暑さをどうにかしたいという目的であれば、まずは遮熱塗料の性能表示をしっかり比較して選ぶのが、最も現実的で納得感のある選択になるはずです。
大切なお住まいのことですから、数値や事実に基づいた情報を参考に、じっくりと検討を進めてくださいね。
今の建物の状態に合った提案
グローリーでは、現地を確認した上で「今の建物の状態に合った提案」をお伝えするようにしています。
遮熱・断熱のことでご不明な点があれば、遠慮なくご相談ください。




