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2026.01.16
施工について

片流れは雨漏り注意?陸屋根は防水必須?屋根の形が教える「家の弱点」


屋根の形が教える家の弱点


屋根のメンテナンスというと「瓦」「スレート」「ガルバリウム」といった材料に目が向きがちですが、実は「どんな形をしているか」も同じくらい重要です。


雨水の流れ方、紫外線の当たり方、風圧の受け方、雪の積もり方。

これらはすべて屋根の「形状」によって大きく変わります。 そして、劣化の出やすい場所や点検の難易度、メンテナンスコストにも直結します。


本記事では、主な屋根形状別に、住んでいる方が知っておくべきリスクなどを整理して解説します。

1. 切妻(きりづま)屋根



2枚の屋根面が頂部(棟)で合わさる、本を開いて伏せたようなシンプルな形状です。

日本の住宅で最も普及しています。

劣化しやすいポイント

妻側(三角形の壁側): 紫外線が直接当たりやすく、破風板(はふいた)や外壁が傷みやすい。


割れた破風板

棟部: 頂点の接合部が劣化すると雨漏りに直結します。

住人が気をつけること

日当たりの良い面と悪い面で、色あせや苔の発生に差が出やすいです。

10年に一度は「妻側」の塗装状態を確認しましょう。

2. 寄棟(よせむね)屋根



4方向の屋根面が中央に集まる、落ち着いた印象の形状です。

四方に傾斜があるため、全方位の壁を日差しや雨から守りやすい屋根です。

劣化しやすいポイント

隅棟(すみむね): 4方向に屋根が傾いているため、接合部が多く、漆喰の剥がれや釘の浮きが発生しやすくなっています。


隅棟

谷部: 寄棟同士がに交わるような形状になっている場合には、雨水が集中する「谷」ができ、最も雨漏りリスクが高まります。


 「谷」

住人が気をつけること

4面あるため、一見きれいに見えても「裏側の1面だけ激しく劣化している」ことがあります。

3. 片流れ(かたながれ)屋根



1方向だけに傾斜がある、モダンなデザインに多い形状です。

一枚屋根なので、ソーラーパネルを載せやすく、コストも抑えやすいです。

劣化しやすいポイント

雨樋: すべての雨水が低い方に集中するため、雨樋の負担が非常に大きく、破損やオーバーフローが起きやすくなります。


枯葉が詰まった樋

高い側の軒先: 片流れ屋根は、屋根の終わりと垂直な壁がぶつかっています。

通常の屋根にある、頂上の棟をまたぐような屋根材がありません。


雨風が強いと、風は壁に沿って吹きあがり、屋根の端まで行った雨水が、重力や表面張力によって屋根材の裏側へぐるっと回り込んで入り込もうとします。

住人が気をつけること

水の侵入を物理的に遮断するための防水処理のメンテナンスが必要になります。

4. 陸(ろく)屋根・平屋根



屋上として利用可能な、傾斜がほとんどない平らな屋根です。

鉄筋コンクリート造だけでなく最近は木造住宅でもこの形状の屋根で作られています。

劣化しやすいポイント

防水層: 陸屋根にはわずかな勾配はありますが、構造上、雨水が表面にたまりやすくなっています。

塗装(ペンキ)程度の薄い膜では、常に水にさらされる「水圧」に耐えられず、すぐに剥がれたり隙間から水が染み込んだりしてしまいます。


排水口(ドレン): ゴミや落ち葉が詰まると、屋根に勾配がないため、プールのようになり致命的です。

住人が気をつけること

陸屋根は、厚みのある「防水層(シートや厚い塗膜)」で屋上全体を包み込む「防水工事」が必要になります。

水たまりが引かない、雑草が生えている、ひび割れがある場合は即座に専門家へ相談してください。

5. 方形(ほうぎょう)屋根



頂点から4方向に均等に傾斜がある、ピラミッドのような形状です。

劣化しやすいポイント

寄棟と同様、隅棟に劣化が集中しますが、頂点の接合部(露盤)がてっぺん1点に集まるため、ここも弱点になります。

軒が均一に出ているため、外壁の劣化は遅いですが、屋根自体の変化に気づきにくいです。

屋根形状と足場費用の関係

屋根工事や外壁工事では、足場が欠かせませんが、 その費用は屋根の形状と建物全体の構造に影響されます。

足場費用が変わる主な要因

  • 屋根の高さや段差
  • 建物が何方向に傾斜しているか
  • 作業範囲が建物の一部か全周か
  • 安全面から高所作業が必要かどうか

形状が複雑なほど足場費用が上がる理由



屋根の形が入り組んでいると、メンテナンスに不可欠な「足場」の設計が難しくなり、以下のような要因でコストが上昇します。

足場を組む範囲と部材の増加

シンプルな長方形の家なら足場は直線で済みますが、L字型や凹凸のある家では、外周に合わせて足場を細かく折れ曲がらせる必要があります。


その分、使用する部材(支柱や手すり)の量が増え、設置面積も広くなります。

高さや勾配に合わせた特殊な補強

屋根の高さが部分的に違ったり、急勾配の箇所があったりする場合、作業者の安全を守るために「屋根足場(屋根の上に直接設置する足場)」や、通常より強固な飛散防止ネットの補強が必要になり、その分費用がかかります。

設置・解体・作業日数の長期化

複雑な形状は足場の組み立てに時間がかかるだけでなく、実際の屋根作業(塗装や補修)も「隅(すみ)」や「谷(たに)」の処理に手間がかかるため、職人の工数が増えます。

人件費が積み重なることで、総額に大きな差が出ます。

メンテナンス計画で意識したい3つのポイント

形状によるコストアップを最小限に抑え、住まいを長持ちさせるためには、以下の点を意識しましょう。

(1) 屋根と外壁の工事をセットにする

屋根単体、外壁単体でバラバラに工事を行うと、その都度足場代が発生してしまいます。

形状が複雑で足場代が高い家ほど、一度の足場で両方の工事を済ませる「一括メンテナンス」の節約効果が高まります。


\外壁塗装と屋根塗装の工事タイミングについてはこちらも読まれています /

外壁塗装と屋根塗装は同時に行うべき?メリット・デメリットを徹底比較!


(2)小さな補修でも「足場の要否」を事前確認

「瓦が1枚ずれているだけ」

「雨樋が一部外れただけ」

という小さな不具合でも、屋根の形状や高さによっては、安全のために全面的な足場が必要になるケースがあります。


屋根修理を依頼した際、梯子(はしご)で対応するのか、それとも足場を組む必要があるのかを事前に業者に確認し、もし足場が組まれるようなら他の気になる箇所もまとめて直してしまうのが得策です。

(3)形状の弱点を理解した「予防点検」

自分の家の屋根に「谷」がある、あるいは「片流れで軒が高い」といった特徴を理解していれば、点検時にどこを重点的に見るべきか判断できます。


形状が複雑な家は、接合部からの雨漏りリスクが元々高いと言えます。


トラブルが起きてから大きな足場を組むのではなく、5年〜10年ごとの定期点検で「早期発見・部分補修」を繰り返すことが、安心感のある住み心地を保証してくれますし、長期的に見て修繕費を抑えることにもなります。

屋根の形を正しく理解しておこう

屋根は、普段なかなか自分では見ることができない場所です。

しかし、「わが家の屋根の形」を正しく理解していれば、業者からの提案が妥当かどうかを判断する基準を持つことができます。


「少し雨樋の調子が悪いかも」「前回の点検から10年経つな」と感じたら、まずはご自身の屋根の形状を再確認し、専門家に点検を依頼することをおすすめします。


早期発見と計画的な補修こそが、結果として大切な資産と家計を守る最強の手段となるはずです。


「自分の家の屋根はどうなっているんだろう?」と思われたら、お気軽にお問合せください。

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